【リレートーク】「ボランティアのこころ」

富樫 透(ぼらんたす会員)

「今回は予定を変更して富樫透さんです。小野寺瑞穂さんは次回です・・・」

 (社)日本青年奉仕協会の総会(6月26日(金))に出席してきました。昭和42年設立の老舗のボランティア団体ですが、今回が解散総会となり、ボランティア草創期からの40数年の歴史に幕を下ろすことになりました。約20年間の付き合いですが、全国ボランティア研究集会やボランティア365などの活動のなかで、仲間を知り、ネットワークをつくり、スキルを学び、実践を通して課題を検証し、成果を次の活動の糧としてきた者としては「残念」という一言では片付けられない心境です。
 ボランティアとNPOはよくパッション(情熱)とミッション(使命)のバランスの関係でたとえられますが、想い(情熱)だけでは、活動の維持ができない現実を痛感させられました。組織としてのプリンシプル(原理・原則)をどう繋いでいくかを考えさせられた1日でもありました。

 ところで、先日うれしい出来事がありました。信号のない交差点で、幼稚園の年長か小学校1年生くらいの女の子が、道端で待っていたので車を停車させました。女の子は背丈の半分もあるような大きなぬいぐるみをかかえ、走り去っていったのですが、反対側の歩道までくると、くるりとふりむいてペコリとお辞儀をしてくれました。当たり前のことを当たり前にしただけなのに、非常にほほえましく、対向車線で止まってくれた車も含め思わず笑顔になるようなうれしい気持ちにさせていただきました。同時にたったそれだけのことなのに、日頃バタバタと生活しているなかで非常に充実した幸福感につつまれた1日になりました。
 ボランティアは、相手のことを思いながら当たり前のことを当たり前にする日常生活の延長線上にあるのかもしれません。あるいは、まだまだ気付かずに送っている生活の中にそのヒントが隠されているような気がしてなりません。
 そんなワクワクするような体験や実践を仲間と共有しながら、時代にあった活動ができればと思っています。